「火曜日版サザエさん」の知られざる放送形態について

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かつて、ゴールデンタイムに『まんが名作劇場サザエさん』（通称「火曜日版サザエさん」）という番組が放送されていました。

簡単に言えば「火曜日版サザエさん」は日曜日版サザエさんの再放送なのですが、22年も続いた長寿番組にも関わらず、その詳しい放送形態は不確かで曖昧な情報しか知られていません。

というわけで、過去のテレビ番組表を元にして、火曜日版サザエさんの放送形態を詳しく調べてみましたよ、という記事です。

はじめに

新聞データベース（ヨミダス歴史館/聞蔵Ⅱ/毎索）のラテ欄を確認して「火曜日版サザエさん」の放送リストを作成しました。今回は量が膨大すぎて全放送回の確認が出来なかったため、主に改編期のみを確認しています。

※何らかのミスをおかしている可能性が高いため、この記事の情報を二次利用する場合はご自身でチェックしてから行うことをオススメします。

調査結果

ネットでは「5年遅れで再放送していた」とされることが多いですが、そう単純なものではありませんでした。

春クール～夏クール：5年前の再放送
秋クール～冬クール：6年前の再放送

1996年後半～1997年（火曜サザエ最終4クール）を除き、これが火曜サザエの基本的な放送形態となっていました。定説よりも複雑な放送形態だったようです。また、稀に順番を入れ替えての放送（例：第180回→第182回→第181回）も見受けられました。

ちなみに、再放送が休止となった場合でも振替放送はせず、そのまま休止回を飛ばして放送していたようです。恐らく季節のズレを防止するためでしょうか。

具体的な放送状況を、以下に記していきます。

放送解説

1970年代

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火曜日版サザエさんの放送が開始されたのは1975年4月1日。再放送は第1回からではなく、本放送3クール目の第27回からでした。これは、放送と季節を合わせる必要があったからではないかという説があります。この時の放送形態が1996年前半まで、21年間続けられることになります。

イレギュラーな放送順の回（気づいたものだけ）は以下の通り。なぜか、初期は年末の放送が1年新しい回に差し替えられていました。

1975年12月30日：1970年12月27日放送回
1976年12月28日：1971年12月26日放送回
1977年12月27日：1972年12月31日放送回

1980年代～1990年代

1970年代は殆ど休止が無かったのですが、1982年頃から徐々に雨傘番組扱いや休止が増え、1991年頃からはそれがさらに急増しました。フジテレビの編成方針の変遷が見て取れますね。

ちなみに、「放送九年目のドロボー」など本放送準拠のサブタイトルの作品は、休止や改題することなく、そのまま再放送されているようです。

イレギュラーな放送順の回（気づいたものだけ）は以下の通り。理由は分かりませんが1993年頃に集中しています。

1992年1月21日：1986年1月12日放送回
1993年7月20日：1989年7月23日放送回
1993年7月27日：1989年7月30日放送回
1993年9月28日：1989年9月24日放送回

1996年後半～1997年

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火曜サザエ最終4クールでは、それまでとは異なる特殊な放送形態をとり、1991～1993年の作品からチョイスして放送されていたようです。1996年11月17日から特殊形態が開始しているので、その頃には既に番組終了が決まっていたのでしょうか。

そしてこの時期は、特番や雨傘番組扱いとなることがかなり多かったのが特徴的です。なんと、放送枠全55回のうち38回が休止or雨傘扱いでした。

お隣さんの変遷

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日曜日版サザエさんと火曜日版サザエさんのお隣さんの変遷を比較してみました。

ご覧の通り、再放送クールを分割した弊害で火曜サザエのお隣さんが滅茶苦茶複雑な状況になっています。特に1983年度と1990年度は、「お隣さんが引っ越したと思いきやすぐ帰ってきてまた引っ越す(？)」という不可思議な状況に。当時の視聴者は混乱しなかったのでしょうか？ｗ（ちなみに火曜日版では、浜一家と現・伊佐坂一家の登場回は放送していますが、浜一家のお別れ回は再放送していないようです。）

ネットでは「日曜日版が現・伊佐坂家、火曜日版が浜家」と語られることが多いですが、実はそれは1985年7月～1990年3月、1990年10月～1991年3月のたった6年間だけなんですねえ。