「星の子ポロン」の元ネタを探る
本記事は2018年4月~6月にブロマガで公開した記事の再構成です。
こんにちわ。
さて、「星の子ポロン」や「ガンとゴン」には海外アニメをオマージュしたと思われる描写が色々と見られるのをご存知でしょうか。
例として、その52の「いたずらネズミの巻」はあからさまな「トムとジェリー」パロディです。
最近、そんな元ネタとされる海外アニメを探っていく「幻の超展開アニメ『星の子ポロン』の元ネタを探る生」という放送を不定期でやっています。
要望がありましたので、この記事ではその放送内で流した作品を改めて紹介します。
①ピンクパンサー 「Pink Pranks」
本国では1971年8月28日放送。日本では1972年にフジテレビで放送。
情報はフミ(@looney1940)さんです。
「チビパンダの大雪ダルマの巻」と描写が似ている。雪だるまに巻き込まれる。
同じく「チビパンダの大雪ダルマの巻」と描写が似ている。衝突してストップする。
これはどう見ても「弾丸滑降の巻」に登場する弾丸滑降そのままではないだろうか…!
②ピンクパンサー 「Super Pink」
本国では1966年10月12日放送。日本では1972年にフジテレビで放送。
情報はフミ(@looney1940)さんです。
「ひとりで車が走り出すの巻」と描写が似ている。坂道で車が逆走してしまう。
③リッピーとハーディー「Injun Trouble」
ハンナ・バーベラ制作。本国では1963年2月11日放送、日本では1964年に日本テレビで放送。その後も東京12チャンネルなどで再放送されていたようです。
情報はTATU(@tatu_zihou)さんです。
ビジュアル的にもタイトル的にも「リッピーとハーディ」を意識している気がします。
「まきこまれたガンとゴン」に登場する家の描写によく似ている。
「ガンとゴン」に登場するラーラっぽい感じの少女。
④フリップ・ザ・フロッグ「Techno-Cracked」
本国では1933年3月20日公開。情報はかねひさ(@kane_hisa)さんです。
ラスト付近にポロンっぽい描写が見られます。
「ダイナマイトを食べたゴリラ君の巻」とよく似た描写がなされている。
⑤早射ちマック「Dynamite Fright」
ハンナ・バーベラ制作。本国では1959~1962年放送、日本では1960~61年に日本テレビで放送。その後も東京12チャンネルなどで再放送されていたようです。
情報はTATU(@tatu_zihou)さんです。
「帰ってきた金貨の袋」に出てきた金貨の争奪戦の描写。
「ダイナマイトを食べたゴリラ君の巻」と同じくダイナマイトを食べる描写。
⑥カバトット「スイカ泥棒に気をつけて」
タツノコプロ制作。1971年1月1日~1972年9月30日放送。ポロンと同じ帯アニメです。
現在未発掘にはなりますが、ポロンに「スイカ泥棒の巻」というエピソードがあったという証言が複数寄せられています。
「カバトット」の制作時期はポロンの少し前です。ポロンが影響を受けていた可能性も十分考えられるのではないでしょうか?
ちなみに、カバトットにはこの他にも「ステレオ狂騒曲」「自動車教習所」「ガンマンは死なず」、交通整理の回(サブタイトル不明)など、なんとなくポロンっぽい回が数多く存在します。
⑦トムとジェリー「氷あそび」
本国では1954年9月4日公開。
情報は日向青緑39号(@93retSyaW)さんです。
水を撒いてスケート場を作るという、「スケート場になった危険な道路の巻」とよく似た描写がある。
⑧ピュンピュン丸「怪獣ゴロゴロン」
東映動画制作。1967年7月17日放送。
情報は田中どろん(@tanaka_doron003)さんです。
「帰ってきた金貨の袋」で印象深い『今頃ラーメン100杯食べられたのになあ~』っぽい台詞が登場します。
「僕お腹へったよ。ラーメン100杯でいいから食べたいよ。」「いつもは500杯食うよ。」「ラーメン100杯持ってこなきゃお前たちをこれから食っちゃうからな。」「ラーメン100杯食べさせないと勘弁できないぞー!」
「ピュンピュン丸」では、このエピソード以外にも「ラーメン○杯」という言い回し自体は何度も登場します。例えば第1話にも。
ところで、この「ピュンピュン丸」、なんとガンとゴンの原画スタッフである鈴木孝夫さんが参加しています。この回ではクレジットはありませんが、もしかすると、何か関係があるのかもしれませんね。
⑨チップとデール「リスの朝ごはん」
本国では1948年公開。ディズニー制作。
情報はmashio(@Mashi_Oh_)さんとTATU(@tatu_zihou)さんです。
「ホットケーキはもうたくさんの巻」のホットケーキが突然動き出すとかいう頭がおかしすぎる発想は、ドナルドダックを中途半端にパクった為だったのではないでしょうか?
⑨ラムヂーちゃん(It's the Wolf)
本国では1969年9月6日放送。日本では東京12チャンネルなどで放送。
ポロンのパクリ元でお馴染みハンナ・バーベラ作品です。
主人公である仔羊のラムヂーを、毎回オオカミが様々な姿に変装して捕まえようとする。だが真相が分かったラムヂーが「オオカミだよーっ!!」と叫ぶと、すぐさまイヌの「オジサン」が駆け付けて、オオカミを杖で吹っ飛ばすというのが、毎回のパターンである。
ポロンのOKA要素は「ラムヂーちゃん」からの影響を受けたものではないでしょうか?他のハンナ・バーベラ作品からも色々パクってるしね。
⑩ラットフィンク(Rat Fink)
1963年に誕生したキャラクター。情報はmashio(@Mashi_Oh_)さんです。
「空中戦」に登場するネズミっぽい奴に似ている。よく見ると服のデザインも…?
誕生経緯から、ラットフィンクは自動車と絡められて使われることが多かったそうです。
これが元ネタだとすると、ガンとゴンの未発掘回である「ドライバーだよガンとゴン」や「カーレース」にも空中戦ネズミが出ている可能性が高いのではないでしょうか?
⑪トムとジェリー「勝利は我に」
本国では1943年6月26日公開。
情報はむまりす(@mm_11ce)さんと星(@starman508)さんとショット(@syottodesuyo)さんです。
「ダイナマイトだ!!の巻」のダイナマイトを投げ合う描写に似ている。ただし動画枚数は天と地の差である。
⑫「グーフィーの野球教室」
本国では1942年9月4日公開。ディズニー制作。
情報はmashio(@Mashi_Oh_)さんです。
「ずるい野球の巻」でポロンが投球時に腕グルグルするやつの元ネタ?
⑬「リッピーとハーディ」WATER-MELON FELON
本国では1962年9月10日放送、日本では1964年に日本テレビで放送。制作はパクリ元でお馴染みのハンナ・バーベラ。
情報はTATU(@tatu_zihou)さんです。
⑥のカバトットでも紹介しましたが、ポロンの未発掘エピソードに「スイカ泥棒の巻」というのがあります。もしかするとこれも「リッピーとハーディ」をオマージュしていた…?
⑭Huckleberry Hound
これは1980年代の作品なのでポロンの元ネタではありませんが、おまけとして紹介。
どう見ても弾丸滑降です、ありがとうございました。
ここで今回の記事は終了です。ここまでご覧いただきありがとうございました。
この記事が何かポロン研究の助けになれば幸いです。
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初出一覧
- 「星の子ポロン」の元ネタを探るの巻 その1(2018年04月29日)
- 「星の子ポロン」の元ネタを探るの巻 その2(2018年04月29日)
- 「星の子ポロン」の元ネタを探るの巻 その3(2018年05月04日)
- 「星の子ポロン」の元ネタを探るの巻 その4(2018年05月10日)
- 「星の子ポロン」の元ネタを探るの巻 その5(2018年06月02日)